先週金曜の夜は2ヶ月に一度の「壺中の会」に参加してきました。この会は、代々の伝統を受け継ぐ世襲経営者・進取の気風に富んだ新興ベンチャー経営者・政治家・弁護士・公認会計士の方々など、企業規模の大小にかかわらず「雇用の創出」を考え、本音で討論しあう勉強会です。人脈づくりのためだけの異業種交流会ではなく、いろんな意見を持つ経営者の方の本音トークがぶつかり合ってたいへん有意義です。
基本的に私たちの会社の業種は、採用のお手伝いなので「雇用の創出」については得意分野だ…と思っていました。ヒトが常に前を向いて働けるような環境づくりについては「わかっているつもり」でしかなかった。先週末に議論されたテーマがそのことに気づかせてくれました。
長い歴史の中で育ってきた企業は、一方的に従業員を増やしつづけるだけでなく、人員削減をしなければならない曲面も経験されています。いわゆる(日本語で意味する)「リストラ」です。会社の将来のために従業員に会社を辞めてもらうための施策。経営者にとっては前向きなのかもしれませんが、働くスタッフにとってはかなりネガティブな話です。辞めていったヒトが、辞める前よりも幸せになれるのだったらいいのですが、なかなかそうはいきません。
既存事業のマーケットが頭打ちになっているのに、新規事業を模索しないのは、経営者の責任でしょう。
しかし、状況は変わります。「10人で1週間かけてやっていた作業」が、「3人で1日でできてしまう」ような便利な世の中です。あるいは「生産機能が海外に移転してしまった」「拠点の統廃合をしなければならなかった」・・・こうした環境の変化によってヒトを減らさなければならないケースも、場合によってはないわけではありません。単純なワークシェアリングでは解決できないのです。
こうした場面を乗り切って来られた方々のツラい経験談を聞くと、やはり重みが違います。経営者自身も断腸の思いで決断している・・・という気持ちが、イタいほど伝わってきます。
雇用の創出とは、何もヒトを採用していくことだけでなく「社員の方が前向きに働ける環境づくり」だと考えると、私はまだまだ学ぶべきことがたくさんあることを知りました。