今週の日経ビジネスで『人材沈没〜「育てず 伸びず」デフレスパイラル』という記事が特集されていました。「学歴偏重の逆戻りする企業」「大手志向の学生」「育てる能力を失い、即戦力に走る」「育成に時間もコストもかけない」…。で、それらを解決するために『濃密な対話が成長の原点』であると説いています。
(日経ビジネス誌なんかを定期購読している)大手で学歴を重視しているオッサンたちが、この記事をどう読み砕いたかはわかりませんが、採用活動を考え直すにはいい機会になったはずです。
人材を沈没させた理由については、よく私も考えるテーマです。しかしそんなのは私に言わせれば、決して最近の事象ではありません。長い時間をかけてそうなってきた。人材不足が顕著になって危機感が生じた昨今、ビジネス誌のネタになりやすかったのでしょう。
では「人材沈没」の原因は何なのかというと、その犯人は『ニッポンの教育』だと思うのです。
『濃密な対話』なんかできないように、リスクをできるだけ避けるように、みんなの総意がないと前に進まないように、個人的なわがままも個性だと認めるように、仕事に関する情報を与えないように…、そんな教育システムの中で勝ち抜いてもどんな優秀な人材が輩出されるというのでしょう。
私自身は学歴もなく、20代前半までは社会貢献度の低い世の中のクズのような存在でしたが、逆にそれが(自分自身で将来のことを考える)チカラを養ってきたと思います。
そして20歳ではじめて正社員として入社した印刷会社をすぐに辞めたくなったことも、私にとってはいい職業教育になりました。
…というわけで、日経ビジネスの話題から先週の続きへ…。やや強引にもってきました。
印刷会社に入社した瞬間から「こんなはずじゃなかった」と思ってしまった私は、入社後すぐに転職活動をスタートさせました。次に入社する会社では絶対に後悔したくない。…と、妥協をせずに転職活動をしていたら、なんと次の転職先を見つるまでに2年もかかってしまったのです。
企業規模の大小を問わず、「自分がその環境に身を置くイメージができる会社」である職場を見つけるまで、毎週欠かさずに求人誌を買いつづけ、約30社ほどの面接を受けたんじゃないでしょうか。だんだん面接で気に入られるコツわかったし、職場の空気を感じる鼻も利き、自分の中に「いい会社は…」というベンチマークも自然にできました。その期間はムダではなかったのです。
私は転職先で大きく変わりました。規模も知らずに仕事に憧れて選んだ私。私の学歴の低さを関係なく採用した会社。泣けるほど厳しく育ててくれた上司。どれも、件の日経ビジネスとは反対のことばかり。そんな環境で私は変わってきたことを実感しています。
学歴にアグラをかいているサラリーマンほど見苦しいモノもありません。
だからお父さん、再びモーレツ時代のサラリーマンになって、若いヤツらに聞かせてやりましょう。全然いいんですよ。昔話の努力と根性論だって。