1970年代の終わり。
田舎の中学に通っていた私はノーテンキでした。
クラスメートたちとワイガヤの日々と、ちょっとだけ恋心が芽生え、
「ああ、なんて毎日がこんなに楽しいんだろう」
と、心の底から生活を満喫してました。
勉強なんかしてたら時間がもったいなくて仕方ない。
やりたいこと(って遊びなんですけど)がいっぱいあって困る
…ってな青春時代だったんですね。
ちょうどその頃、洋楽ロックにも目覚めました。
クラスメートたちとバンドを結成して練習を重ね、モテることを目指してたワケです。
そして家に帰り、耳鳴りがするほどの大ボリュームでロック漬けになる。
当時、小遣いをはたいて買ったLPレコードに、
溝がすり切れるまで繰り返し繰り返し針を落としていました。
音楽に飽きると一家に一台の黒電話を占領し、好きなコと意味のない長電話。
「ああ楽し」
‥‥って、幸せレベルが低かったんです。
当然、成績が上がらんわね。
いやいや、今回は我が青春の思い出を語るのではなく、
青春の音楽の話です。
ティーンエイジャーだった当時の私は、
メタルカセットテープというお宝を入手しました。
「高級で音質がいい…らしい」
少年時代の私はそのずっしり重いダイキャストボディを崇め、
どんな曲を録音しようかとワクワクしていたわけです。
ふだんはパンクやロックンロール、ハードロック党でしたが、
高級品なんだから…と、EaglesのOne of these nightとか、Rolling StonesのShe's a Rainbowなど、
きれいなメロディで大人な路線のナンバーをエアチェックして悦に入ってました。
ある時、
操作ミスで録音してしまった誰の何のナンバーもわからない曲が、すっかりお気に入りになりました。
スラップの利いたベースラインに乗っかるリフがめっちゃめちゃカッコいい。
その時以外は、公共の電波で耳にしたことがないので
マーケット的にはまるでヒットしなかった曲なのは間違いありません。
なんとかその曲の正体を突き止めたいと思っていましたが、
残念ながら歴史の流れとともにカセットテープは、私の所蔵からも消え、
記憶にしか残っていないので検索の方法もありません。
ところが本日。
iTunesラジオのClassicRockの放送でその懐かしいメロディが聞こえるではありませんか。
「:::::The Knack:::::Africa:::::」
うおおおおおおおお! この曲だあああああああ! 感動です。
約三十年越しで突然見つかったのです。
一発屋と称され、時代から取り残されてしまったバンド、
The Knackが廃ったあとのナンバーだったのです。
早速音源を購入し、青春当時の気持ちにフラッシュバックしています。
念ずれば通じる…だなあ。
「ああ楽し」
‥‥って、幸せレベル、成長してないです。