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賛美歌を歌えなかった結婚式

結婚式に出席して参りました。
式・披露宴までには、まだしばらく時間に余裕があったので
一緒に招かれたH氏とともに、
喫茶室で館内アナウンスをのんびりと待っていました。

20070707171206.jpg

「山内家・川口家の結婚式にご参列の皆様は‥‥」
「お、これだね。行こうか」
私とH氏はグラスに残ったアイスコーヒーをあわててすすり、
結婚式の会場に向かいます。

式場手前の扉の前では
新婦の友人らしきバイオリン奏者がその音色で参列者を迎えてくれます。
私たちと演奏者が交互にビデオ撮影されていて少し緊張します。
賛美歌のしおりを渡され、扉をくぐると、
そこは広々とした屋上のガーデンチャペル。凝った作りの建物の演出に感動。

「うわあ、こりゃだいぶ汗かいちゃいそうだよなあ」
H氏の嘆きに相づちを打ちながら、新婦側の参列席へ向かいます。
かなり時間には余裕があると思っていたのに
どうやら私たちが最後だったらしく席が足りません。
新郎もすでに新婦の登場を待ちかまえてこちらを向いています。

しばらく最後尾で立っていると、ふとH氏が私に言いました。
「オマエ、新郎って会ったことある?」
「ん? ないんだよそれが。写真ならちょっと見たけど‥‥?」
「なあ、あんな顔だったっけ?」
「う〜んメカシ込んでるからよくわからんが、なんか違う雰囲気だなあ」
「…だよな?」

不安になった私たちは会場を仕切るスタッフの方に質問しました。
「ここってナニケとナニケの会場ですか?」
「えっと確か・・・・(紙を確認)・・・・スギヤマ様とササキ…」
聞き終わる前に二人とも走り始めました。

青空の下のバージンロードをオッサン二人が猛烈に逆走ダッシュです。

さっき来た扉の下には、
ドレスの花嫁がまさに第一歩を踏み出そうとしています。
もちろんその花嫁さんの顔に見覚えはありません。
オッサン二人は腰を小さくかがめ、片手を前にヒレのように動かし、
立ち去って行く姿をきっとみんなが見ていたのでしょう。


大あわてで正しい結婚式場に到着し、またしても愕然。
そこはニッポンのトラッドな神殿ではありませんか。
和装で飾った新郎新婦の奥で神職が
「かしこみかしこみぃ‥‥」なんて祝詞(のりと)を詠んでいます。


神殿の最後列に立つ我々オジサンふたりはまるで狛犬です。
しかも手には賛美歌のしおり。
もうマヌケすぎて泣けてきます。

しかし、最初に間違えたガーデンチャペルのビデオに
私たちは間違いなく映っているんでしょうね。
祝儀泥棒の証拠ビデオのような姿で‥‥。

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2007年7月 8日 01:56に投稿されたエントリーのページです。

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