この夏期休暇の間、
仕事に借り出さる日数は、数年前と比較して断然少なくなりました。
うんざりするほどの宿題で夜な夜な働くことがなければ、
こんなに仕事から離れたのは久しぶりです。
それにしても、
貯めていた宿題が思いがけず捗りました。
テレビもインターネットもお気に入りの本もなく、携帯も圏外。
そんな場所に身を置いて夜を過ごすと、
取材ノートをながめながら文字を打つ以外にやることがありません。
驚くほどスムーズに仕事が進みました。
思えば、私の生活は情報で溺れそうだったことに気づきました。
携帯からはニュースや天気予報が流れ、
知りたくないプロ野球の結果などまで教えてくれます。
知っている誰かがブログを更新すれば、リアルタイムで発見できる仕組もある。
テレビを付けても、子どものゲーム機を付けても
「お知らせがあります」と機械風情がメッセージを送って来るではありませんか。
毎週送られてくるビジネス誌が届かないと不安だし、
趣味の雑誌２誌は発売日を決して忘れたことなどありません。
地下鉄を待っている間の中途半端に途切れるニュースでさえ気になって仕方ない。
新幹線の車両先頭にある
『只今三河安城駅を通過しました』というメッセージに出会えただけで
ラッキーな気持ちになる。
次々とやってくる『新鮮な情報』の誘惑に、私はイチコロ。
刹那的な情報収集の余分な時間に、私はだらしない顔をして耽っているです。
恋に溺れているのが色ボケなら、私は情報ボケなのかもしれません。
だから強制的に情報を遮断した状況を久しぶりに経験して
ちょっと清々しい気分になりました。
そんな場所で本の原稿を書く時間があれば‥‥、幸せなのか？
いやいや、禁断症状で気が狂いそうになるんでしょう。