この半年ほどは、必ずそうしている、
…と断言できるぐらい休日の過ごし方がワンパターン化しています。
それは次男とふたりで、家から徒歩約5分の小さな公園に
午後から出かけ、夕方まで過ごすこと。
防寒具を突き抜けるほどの寒い冬も、
じっとしていても汗ばむほど暑くなってきた昨今も、このパターンは同じ。
最低でも1時間。長い時には4時間以上そこにいます。
到着してしばらくは親子で一緒に遊んだりもするのですが、
それはほんの序盤戦だけ。
その場に集まっている子ども同士でハシャギはじめると、先発の私はそこでお役ご免。
ベンチに戻り読書タイムに突入します。
私の憧れの物書き、椎名誠氏の旅ものエッセイの世界に浸るのです。
氏の旅の風景とはもっともかけ離れたロケーションの、
中途半端な都市型住宅地の真ん中で、私は旅の気分に酔っていきます。
南の島でビールを飲んだり、寂れた漁港の町でカツオを食ったり、
厳冬の海を眺めて温泉に浸かったり‥‥。
ううう、ワシもよく冷えたビールをぐびぐび飲んで、
今さばいたばかりの獲れたての旬の刺身と、ショーユをたらしたサザエの壺焼きを
港の漁師カズさんと一緒にわしわしと食いたいのだあ。
なんて同化していってしまったり、
ああ、ずいぶん前に出かけた旅の風景を思い出すなあ。
などと、すっかり遠い夢想畑の中にいると、
「ねえオトーサンってば! マクドナルドでアイス買ってよって言ってるじゃん」
と、人工的で季節感のない味覚を切望するセガレの声に目覚め、
私の旅はあと5分だけ遠くのマクドナルドに向かって出発するのでありました。