ロックをデザインをする男、
サカグチケンさんと最後に会ってからすでに20年近く経過していました。
私の持っている氏の名刺が、郵便番号どころか、電話の局番まで3桁なのがその証左。
先方も私のことなど、うろ覚えでしかないけれど、
1月7日、嬉しい再会を果たしました。
サラリーマン時代、
制作に関わる私たちにとって「サカグチケン」は神のような存在でした。
ニューヨークADCという国際的なデザインの賞を獲り、
ド派手なファッションのまま大手クライアント企業(の人事部)に出向き、
堅実なシゴトも見事にこなす。
メジャーなそうそうたるロックミュージシャンたちと友だちで、
ロックバンドのアートワークなどを会社の中で堂々と副業としてやっていた。
でも本業の超大型受注も決めているから誰も文句を言わなかった。
‥‥いや、言えなかった。
その働き方は「サカグチケン」だけが許されていたのですね。
名古屋勤務で田舎者の私は、
氏の活躍ぶりを社内報や噂だけでしか知らず、憧れの先輩だったのですが、
「オレもパンクロック聴いてるしサカグチさんと絶対に仲良くなりたい」
と強く念じていたら、ちゃんと知り合えた。
小兵のワシにもちゃんと向き合って語ってくれるいいアニキだったことを覚えています。
そして再会。
かつて、毎晩朝まで呑みまくって大暴れして、
生き方までパンクロックなヒトだったから、こちらもかなり覚悟をして出かけました。
ところが驚いたことに、サカグチさんは禁酒をしていたのです。
口調もとても穏やか。
愛想の良さだけは変わっていなくて、安心。
懐旧の情だけに終わることなく、
新しいことに向かって何か動き出そうぜ!という話になり、
拳にチカラの入った有意義な一夜でした。