列車に揺られること約3時間半。
隣の席では雷イビキを列車中に響かせる求人代理店社長の平松。
苦痛の長旅でしたが、それもよい思い出としよう。
何しろ初めての仙台ですから。
歩道の端に時折残雪が残るものの、寒さはない。
そしてワシの予想に反して大都会。
大手人材派遣会社の役員、
青山氏との取材をかねた打合せがメインだったのですが、
この会社の方々は
どなたも情熱的なだけでなく、とにかくブレがない。
そこがホントに気持ちいい。
しかし、同行の平松の心は
すでに牛タンと生ビールに包まれていたに違いない。
この打合せの最中、ずっと遠い目をしてボンヤリしとるやんけ。
コノヤロ〜め。
打合せが終わり、夜も更けて。
初めて知る仙台弁の方言や
伝説のヒト「仙台四郎」という商売の神について学び、
穏やかに過ごしていた時のこと。
酔いが回った平松が得意気に話しはじめます。
平松「この近くの石巻市にある北上川は鮭も上がってくる」
ワシ「イシノマキ?詳しいじゃん」
平松「ほら、鮭一本丸ごとになってる石巻鮭ってあるだろ。それのことだ」
ワシ「え?イシマキジャケ…?…そんなのワシ、知らんよ」
平松「鮭が有名なのは北海道じゃなく石巻だぞ」
ワシ「え?そうなの?」
平松「オレもこないだお歳暮でもらったのよ、イシマキジャケ」
ワシ「‥‥えっと、それ、新巻鮭のことじゃ‥‥」
平松「そう。イシマキジャケ」
ワシ「・・・・・・・」
地元「北上川は鮭の養殖が盛んで有名なんです」
平松「ええええ!!!地元のヒトもイシマキジャケを知らんの?」
地元「はい。初耳です」
平松「そうか。知らんのか…(トーンダウン)」
かくして、イシマキジャケの真相は闇の中へ。
最後まで自らの意見を覆すことのできない頑固者なのか。
幻の鮭を知るホンモノの通なのか。