全然知らなかったけど、
ディスコが復活ブームになってんですってね。
お立ち台にワンレン・ボディコンなんて騒がれてましたけれど、
それはすでにバブル真っ盛りの時代の話で
ワシの思い出はそれよりずっと前。
ティーンエイジャーの頃です。
1980年代初頭。
ペントハウス、カーニバル、オズ、
20セント、アカトンボ、ニューヨークニューヨーク、ルイ…
当時名古屋にあったディスコの名前を思い出してみると、
昭和な雰囲気がプンプン漂ってます。
しかしたくさんありました。
ベチャッとした炒飯とか
パサパサの唐揚とかを無理矢理食って、
シャビシャビで甘いばかりのトロピカルカクテル飲んで、
女の子に声かけてシカトされて…。
ああ、なんと無意味で堕落した青春の思い出。
孫正義さんは猛勉強してた時代です。
何かに必死で努力することもなく、
ただ時代に流されながら高校を卒業していきました。
そんな時代のディスコで思い出すのは、
ミーハー大学生の代表になったムラカミくん(ジオコスの創業メンバー)です。
テニスにサーフィンに大滝詠一やNobodyのBGM。
これぞ大学生という最先端でした。
そんな彼らの生活ぶりが悔しくて、
ワシは自慢気に知ったかぶりをしたことがあります。
秀「最近すごいディスコができたってよ。マハラジャだよ。黒服だよ」
村「オマエはカッペか!なんだよマハラジャって。マ・ハ・ラ・ジャじゃねーよ。
マ・ジャ・ラ・ハっていうんだよ!バーカ」
がーん‼
ワシは勘違いして今までずっと『マハラジャ』だとヒトに威張ってきた。
これは相当ダサいことしたな。
しかし、よくよく聞いてみるとムラカミくんも
行ったことはないらしい。
ヨーシ。それじゃあ今日行こう。
俺たち、マジャラハ・デビューを果たしてナウいオトコになろう。
インターネットのない時代、
場所を知るにはまず104の電話番号案内に電話をかけるのが
もっともポピュラーな手段です。
村「あのー、すみません、中区のマジャラハっていう店の番号を…」
(暫し沈黙)
村「ない? 新しいディスコです。はい。マ・ジャ・ラ・ハと言います。マージャーラーハ!
え?おかしいな。え?…マハラジャ…?」
その日からムラカミくんは
トレンディなオトコとしての威厳をなくし、
ミスター・マジャラハとしての汚名を背負っていくことが
決定したのでありました。