とある雑誌の寄稿のため、
自分の古いアルバムを広げる機会がありました。
カメラに向かってニヤつく青年のワシは
スマートで若いがどうみてもバカ丸出しで残念ですが、
それこそ我が青春グラフティ。
※写真は千里浜なぎさドライブウェイ
カネはないけれど、ヒマがある。
バンドの練習に明け暮れて、愛車で夜な夜な出かけて、
仲間の家でタムロして、くだらない話をして過ごしているうちに
だんだんオトナになってきたのですね。
いろんな楽しい悪友たちが浮かんできます。
翌朝から波乗りに行くと言っていた
サーファー気取りのショージが、我が家で酔って寝てしまったので、
スネ毛を縞模様に剃って、顔中に落書きをしておきました。
そのまま海に出かけたショージは
現地から泣くほど怒って電話をかけてきましたが、
その日またウチに来て麻雀をしました。
学習しないいいヤツです。
スガタはカッコつけ野郎でした。
仲間の集まる喫茶クララでもヤツは眉間にシワをよせながら
「ダスイ」と短く注文告げていました。
運ばれてきたメロンソーダ水にストローを刺してチューチュー飲むときも
ちょっと気取っている粋なヤツでした。
憎めません。
からかわれるとムキになって反論するモトカズ。
ワシの口撃に言葉に詰まらせてくると、
「ンな、ん〜、ぐぬぅ、ン〜…バカバカぁ」としか返せなくなります。
そして決まり文句のように
「おまえのツラなんか二度と見たくねーわ!」
と捨てゼリフをワシに残します。
そんな場面が20年以上続いていますが、
今でもモトカズに電話をかけて「みんなで集まろうぜ!」と伝えると、
店の手配から仲間への連絡などをきちんとやってくれます。
感謝です。
リョウキチはアシカショーのアシカのように
ヒトが投げたピーナッツを口でキャッチして食うのが上手でした。
ワシらはだんだん白熱して、
一個まるごとのミカンを5mの距離から豪速球で投げる
という暴挙に出たのですが、
リョウキチはそれでも見事にキャッチする才能を持っていました。
みんなの尊敬を集めるようになったのは
言うまでもありません。
天才です。
そんなバカな仲間たちに囲まれて
ワシは幸せな青年時代を送ってきたのでした。
アルバムに残るワシの表情は
若さに溢れて何もかもが輝いて見えます。
しかし、写真に収まっていない日常生活を思い起こすと、
何もかもが悔やまれます。
高い目的に向かって必死に努力をすることもなく、
グータラしていた歴史を反省します。
あの頃のエネルギーを
今のアタマで考えることができたらどうなってかなあ…
そんなことをじっと考えていたら、
なぜか胸が詰まりました。