ふとした思いつきなんだけれど、
同い年の者同士でバンドをやろう!と声をかけました。
メンバーは元同僚の桑田と同級生の西守です。
さすが二人とも男らしい。色よい返事が即答で返ってきた。
…これが悲劇の始まりとは知らず。
ワシがボーカル&パーカッションで、
桑田はリズムギター&ボーカル。
ハタチ前後にやっていた我がバンドのリードギタリストだった西守は
そのままリードギターを担当することになった。
とりあえずの課題曲を渡し、
まずは各自で、自主トレをするように!と命じた。
‥‥が、不安が募ります。
進捗状況を聞いてみると、
桑田は頚椎ヘルニア手術の後遺症で
左の握力が極端に弱くなってFを抑える練習をしているという。
おいおい、Fが抑えられないギタリストってなんだよ!
西守はワシらのバンドが解散して以来、
27年間ギターをまともに弾いていないからなあ…と、
不安をアラワにしてしていたけれど、
まあ、過去のイメージでいけば弾けないわけじゃないだろう。
しかし!!
西守がFacebook上で
ギター復活宣言を公言するとともに、自身の愛蔵ギターを紹介した時、
ワシは背筋が凍った。
三十年前のヘビメタ仕様のままのギターじゃん‥‥。
そういや、ハタチの頃も
マックスの歪み音&エフェクト満載&爆音にしたがるので
奴のボリュームを常に下げさせたんだった!!!!
自主トレ期間10日を過ぎたこの週末。
はじめて3人でスタジオ練習をすることになった。
桑田はFを抑えられるだろうか?
西守は80年代ヘビメタなアレンジで練習してたりしないか?
と按じたワシ。まだまだ認識が甘かった。
ゴソゴソゴソゴソ‥‥。
なぜかふたりとも、なかなかアンプから音を出さない。
「おかしいぞこのアンプ!音が出ん!」
それぞれピックアップのポジションスイッチを触り、
シールドの接触を確かめている。
文句を言っている桑田の
アンプを確かめたのだけれど、まったく問題はない。
次にギターのほうを疑ってボリュームツマミをクイッとひねる。
ボロロ〜ン♪
・・・・・・・・・・(-_-;)。
ねえ‥‥。ボリューム触んなかったの?
一方の西守はまだ四苦八苦している。
あちこち疑っていると、
古過ぎるアクティブギターから赤錆だらけの電池が発見された。
もしこの状態でちゃんと音が出てたら
そのほうが奇跡だ。
あの〜。
アンプから音を出すためだけに15分が経過しましたけど‥‥。
さらに困ったことに
自分のシンセサイザーパーカッションもよろしくない。
こもった電子音が成り響きすぎてしまうのです。
二本のギターより音が立ちすぎる。
これ‥‥、ちんどん屋だ。
でも仕方ない。
やるぞ。ワットゥスリーフォ!
♪
グジャグジャギジャじゃ〜んjgdgd
ベチャk!おpドンbtbt
なにこれ・・・・・・
後半、桑田の握力が弱って
音が出せなくなったところでサスペンテッドゲーム。
おじいちゃんのリハビリが終了。
解散しよう
諦めがよぎったワシ。
それでもメンバーは前向きだ。
西守はスタジオでも個人レッスンに徹していて
みんなと合わせたりしない。
念願のコーラスエフェクトを使った音出しにニヤケてたのが怖い。
たぶん次に来た時には
ギュワ〜〜〜〜ンなんて鳴らすに違いない。
電池以外にも投資しろよ。
桑田は酷いスタジオ練習のあと、
「オレの歌声は味があるよなあやっぱり。なあ。味があるよなあ」
と、何回も繰り返している。
オマエ、ハモれんかったじゃないか。
あの練習で落ち込まないポジティブさはなんなんだ!!
ていうか
歌じゃなくてFの練習やれっつってんだよ!!
俺たち
少年メリケンサック。
奇跡のステージを実現できる日は来るのか?
絶賛助っ人募集中。