万雷の轟きがやってくるたびに
顔をゆがめてハアハア言いたいのだけれど、
近くにはケータイを眺めながら静かに移動時間を潰す
オネーサンたちがワシと肩を並べて立っている。
ここでおかしな行動をしたくない。
ましてや粗相など‥‥。
ワシの内面では
激しい調子で踊り狂うマグマの噴火欲と
全力で闘わなければならない。
雲に乗った雷様が背中の太鼓を叩いてる、あの絵が浮かぶ。
「もうダメ‥‥この駅で降りちゃうか」
「いや大丈夫。もう大丈夫」
「うっ‥‥、また暴れはじめてるぅ〜〜〜〜〜」
「ふぅ…なんとか落ち着いた」
「ま、また…」
金属棒をグッと掴み、悶絶したい苦しみに耐え
ジッと無表情を保つ。
なんとか無事に10駅をクリア。
駅直結のビルに駆け込んで事なきを得た。
堪ヘ難キヲ堪ヘ 忍ヒ難キヲ忍ヒ
以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス
今日もがんばります。
※写真は風神雷神図より