ビデオ撮影係だ。
そのためだけに駆り出される。
しかも周りのオトーサンたちも同じ使命を与えられ、
強者たちは脚立に三脚で完全武装だ。
いよいよ小学3年生のダンス。
セガレの出番だ。
撮影ポジション争いにムキになるのは、
どうもイマイチ気が進まない。
なのでワシはほとんどの場合、その争いに敗れる。
余裕の脚立パパがちょっと憎らしい。
さらに問題は
遠くから運動場のセガレを探す困難さだ。
メガネをかけ肉眼で入場する隊列に目を凝らす。
みんな同じ体操服でわかりにくい。
んーーーーーー
‥‥いた!
ビデオカメラの照準を
急いでセガレに合わせなければいけない。
‥‥が、手元を見るのと
我が老眼ではメガネが邪魔になる。
しかもビデオをズームにすると
隊列のどこを撮影しているのかわかりにくく、
再びターゲットを見失う。
こんなことを繰り返しているうちに
演目も半分ぐらい進んでいる。
つらい。
しかも、だ。
我が家のビデオカメラと来たら
長男が生まれる前に購入したシロモノだから、
15年以上前のモデルになる。
時代遅れ丸出しの巨大なボディが、
なかなかこっ恥ずかしい。
そんな運動会を終え、
近所の家電量販店でなんとなくビデオカメラコーナーを
うろちょろと冷やかしていたら
トークの上手な販売員さんに引っかかって
新しいモノを買ってしまった。
運動会が終わったその日に。
なんだかなあ…。
人生もうちょっと要領よくいきたいな。
と思う平和な休日のヒトコマ。