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老舗の鶏鍋屋で学ぶこと

池波正太郎氏の記した
昔ながらの食に関するエッセイは、
代々の歴史に裏打ちされた
文化まで伝わってきてときどき読み返してしまう。
そして一子相伝の味を実感したくなる。

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名古屋で有名な老舗の鶏鍋屋もまた
この人の筆に紹介され、
今も残る数少ない店のひとつだ。


先日久しぶりに伺ったが、
相変わらず接待族のオッサンたちが集まっていて、
なかなか繁盛しているようだ。


‥‥が、
ワシはこの店があまり得意じゃないんだな。
味が気に入らないとか、
雰囲気がイヤだってわけじゃなく。
手慣れた感じのベテラン仲居オバサンたちが
どうも苦手で‥‥。


手慣れすぎていて、
客の存在が給仕の障害になることをすごく嫌う。


「ここのスペースは空けといてもらえますか?」
「テーブルは動かさないでいただけますか?」
「ここに荷物を置かないでいただけますか?」
「もうちょっとこっちに座っていただいていいですか?」


エラい気を遣わせられ、
落ち着いて宴に興じられない。


若い頃だったら、
小僧の自分が上司たちに気を使うのは
アタリマエのことだったので、
それと同じように
仲居さんの言うとおりにすることが、
しきたりだと思ってた。
だけど今も同じ扱いかよ。
こういうのって老舗にありがち。
自分たちも知らずにそうならないように
気をつけなきゃね。


この日は先輩たちに
囲まれて鍋屋の仲居さんのことも
あまり気にせず済んだのが幸いかな。


そして学んだことは、
どんな時もキレたらアカンってこと。
許容する器が大事。


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2015年11月 7日 23:10に投稿されたエントリーのページです。

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