この仕事を通して、
我がジオコスのクオリティが何たるかを
大々的に示せるチャンスでもある。
事前に取材をしたストーリーを
書き上げたボディコピーがスタッフから
メールで送られてくる。
朝6時に、だ。
「お待たせしてすみません」と。
すみませんのは、こっちですよ。
と感謝しながら、
書き上がったテキストに目を走らせ、
その玉稿のデキに満足満足。
全体の統一感のために少しだけ手を入れて、
レイアウトを組んでもらうために
別のスタッフに送る。
途中の仕上りをチェックしつつ、
もうちょっと見出しの置き方をこうしてほしい、
こんなテイストを誌面に加えてほしい、
この写真を差替えてほしい、
このディティールをもっとこんな感じに‥‥と、
作業途中のモニタを覗きこみながら
いろいろ注文をつける。
めんどくさいだろうな。
と思いつつ、
この微細な仕上り品質を譲れないので
ついつい細かいことに口を出す。
あれこれ気になるところを
細かくチェックしているとどんどん時間が過ぎる。
そして夜になった。
前々から約束してあった
別のお客様との宴席に間に合わない。
もちろんそれをドタキャンするわけにもいかず、
「ワシ、ちょっと遅れるから」
といって、
別のスタッフをお座敷に出向かせた。
ワシはオフィスに残り、
レイアウトの仕上りを確認して
大急ぎで宴に遅参(大急ぎで遅参って言葉ヘン?)。
カラオケに興じる皆さんの横で
スタッフからのメールに目を落とす。
「まだ気になる箇所があったら早朝に対応します」
その一言が泣ける。
自宅に戻りPDFデータをチェック。
素晴らしいデキだ。
その原稿を眺めながら独りで深夜に乾杯。
プレゼン当日の朝、
オフィスに立ち寄ると
プリントアウトされた初稿原稿が
デスクの上に用意されていた。
きっちりファイリングレールに収められている。
ホントにありがたい。
さあいざ出発!!!
と思ったらエレベータホールに
スタッフが追いかけてくる。
「大事なこれ、忘れてますよー!」
複合機に忘れたままになっていた添付書類をもって
追いかけてくれた。
「おおおお!!!よくぞ気づいてくれた!」
もうホントみんなに大大大感謝。
おかげでプレゼンもずいぶん好感触。
てか絶賛だった!とイバッてもいいと思う。
みんなのおかげで、
こんないい仕事ができるって本当にハッピー。
これが無事納品できて、
きちんと成果を出せるといいねえ。
しかし、
この積み重ねだけだと、
なかなか儲かんないんだよね、ウチの仕事。
池井戸物語のように、これで社員全員が
万歳三唱できるようなもんじゃないんだよね。
残念ながら。