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また自惚れてみるのも役割か。

二十代半ばあたりから、
ワシは自らの仕事に自信を持ち始めた。
顧客にもそのことを謙遜することなくアピールした。
「伊藤秀一に任せてください」
いつもそんなスタンスでいたけれど、
横柄じゃなかったと思う。

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決して横柄じゃないけれど、
だいたい自信満々で企画書をプレゼンしていた。
「このサイコーの企画でサイコーの成果を出しましょう!」
恥ずかしげもなく自画自賛。
大いに自惚れてた。


なんでそんなことをできたかと言うと、
答えはとてもカンタン。


人より努力していた自負があるから。


業界知識を勉強して、仕事理解をして、
同業他社の動向を調べて、相手の好みを知る。
そのために図書館に通い、取材して、仕事体験をして、
一緒にめし食って、仲良くなって…。
それを周りの同僚たちには
絶対に負けないようにやってると思えるまでやる。
それから企画を持っていくんだから、
自信がないわけがない。


なんとなく自分の好みで
興味のあることだけをユルユルやってたわけじゃない。
いや。それはちょっと違うな。
興味のあることが仕事だったんだな。
企画の文言を練り、
デザインの微細なところまで作りこみ、
コピーを何度も書き直した。


ま、上司と呑んだくれたし、
オネーチャンの尻も追っかけてたけれど。
決して仕事の手抜きはしなかった。


でも、
独立と同時に気が変わった。
会社の看板を外して勝負するために、
自己アピールはどんどん薄れていった。
商売をするというのは、
ちゃんとヒトに頭を下げられなきゃ
ダメだと思ったから。


クリエイティブワークなんだから
エゴも必要だ、と言われたりもするけれど、
東京のTVCM制作みたいな
キラキラした華のある世界じゃない。
名古屋じゃ味噌臭い手仕事を求められる。
オレがオレがの生意気な気取り屋は
誰だって気に食わない。
独立を境にずいぶん腰が低くなったと思う。
でも自信まではなくしてない。
たぶん、そうやってきから22年続いた。


ここにきて思う。
ちょっと違うスイッチを入れようかな。
51歳にしてケツの青い吠え方をしてみようかな。
でもなあ…、
ワシはロックンローラーなんかじゃなく、
零細企業の経営を必死でしてる
ただのオジサンなんだ。

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2016年5月28日 22:44に投稿されたエントリーのページです。

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