クレームをつけたい相手の話も
穏やかに冷静に聞ける。
今日の商談中のワシはとても冷静だった。
詫た相手の怠慢に
感情をぶつけることもなく、
だけどほんの少しこっちの言い分も主張しつつ、
相手を受け止めて許した。
今回、顧客のワシに対して、
とてもおざなりな対応を続けていた相手は、
素直にワシに詫びた。
とても悲しい気持ちになったけれど、
感情的に怒りはしなかった。
ズルやインチキをされたら、
そりゃワシだって頭に来るだろうけれど、
酷い損害があったわけじゃない。
もしワシがうまく言いくるめられて騙されてたとしても、
後から本当に哀しむのは、
欺いてほくそ笑んでいるヤツのほうだ。
もし自分が
怒ったようなことを発言していても、
その場だけの議論で永く引っ張ることもない。
怒りや哀しみに長時間を奪われるのは、
自分の未来がもったいない。
そんなことを思わせてくれた
今回の事態は、
昨今の自分にとって
とても良い機会だったんじゃないかと思う。
なんて仏心のワシなんだろう。
そんな自画自賛な気持ちで
星ヶ丘から自宅までの道のりを歩いていたら、
100円玉を拾った。
善人にならなきゃいけないのに、
ネコババしてしまった。
きっとこの後でバチが当たるに違いない。