何しろドラムセットは
ステージから3mほどの高所にあって
テントの天井に届きそうだし‥‥。
頼りなく細い木製やぐらに床板はなく
地面が丸見えで怖いったらない。
シンバルスタンドなんて
やぐらの先のほうに置いてあって
セッティングのために鳶職のように柱の上を
歩いて組み立てなきゃいけない。
腰が抜けそうだ。
スローン(椅子)の位置もビミョー。
少しずらしただけでやぐらから落ちそうじゃん!!
大音量で演れるのか?こんなんで。
マジかこの状況。
え?オープニング曲は、
長渕剛の「とんぼ」をワシが唄うだって?
歌詞もメロディもわかんねーよ。
ぶっつけ本番で知らない曲なんかできるわけねーし。
まじか!!!
大慌てでスマホ検索するものの、
画面には何も映らない。
おい!アカン!知らんよこんな曲…。
客は集まり始めてる。
周りのメンバーも焦り始めた。
「おい!『とんぼ』なんかダメだって!知らねーよ」
「どんな曲なら即興でできるんだ?」
と言っている間に
ワシらの順番がやってきてしまった。
ほんの1秒で考えて・・・・
アワン!
アツウ!
アワンツースリーフォー!
♪キミはファンキモンキベイべエ〜〜♪
キマった!!!
‥‥で、目が覚めた。
と同時に思った。
おいおい!その曲のイントロ…、
ギターソロからだろ。
人生はぶっつけ本番。
…かもしれんけど百戦錬磨が強いんだ。
ワシはステージに立つバンドマンなんかじゃなく
会社のオヤジを長らく生業としてきた。
しかもその規模は
ドームツアーをするスターじゃなく
田舎のハコバンだ。
ドラムも、細いやぐらも、こなさなイカン。
そういう示唆に富んだ夢なんだな。
と思うことにしよう。
※写真は経営者勉強の壺中の会