あろうことかその日、
お気に入りの革靴を履いていた。
いっそ脱いで歩く?
それもだいぶ変な人だよな。…てか、危険だ。
でも行かねば。。。。
つま先を上げカカトだけで歩く
奇妙なオジサンになっていたけど、
激しいドシャ降りで人のことなど誰も見ていない。
こっちもなりふり構っていられない。
あーーーくそめーーーーー!
天気予報、降るって言ってなかったじゃねーかよぉっーーーー!
なぜよりによってこの時間なんだっつーのーー!
ハッキリと声に出して
独り言を呟きつつ
カカトでヨチヨチと歩くオッサンなんて、
もし天気がよかったら
絶対に近づきたくない不気味ジジイだ。
やがて、
カカト歩きなど全く無意味になるほど、
大粒で激しい雨は容赦なく地面を叩きつけ。
路面は完全に川と化してきた。
ほとんどの人が
コンビニやビルの軒下で雨宿りする中、
激しい雷鳴にも負けず
悪態を大声で叫びながらラジオ局のスタジオに
歩みを進め歩いた。
そして生放送の時間が終わると、
交通は混乱するものの、
雨はすっかり上がっていた。
誰も恨みはしないよ。
週末、家事とともに靴磨きに勤しんだ。