2018.09.12
パワハラ騒動、多すぎじゃね?
書いた原稿用紙は丸めて床に捨てられ、
烈火のごとく怒鳴られたのなんて日常だった。
モタモタ作業をしていれば、
「オマエみたいなバカは今すぐクビだ。
辞めちまえ!邪魔だから帰れ。
たとえ辞めてもウチの会社にいたことは
履歴書に書くなよ。俺たちが迷惑する!」
と、言われたこともある。
原稿や企画書を作成すれば、
「オマエの書く字はバカっぽい。硬筆からやり直せ」
と冷たく言われた。
「オマエは頭が悪いから
人の倍の努力ぐらいじゃ一生誰にも追いつけん。
人の十倍やってから“努力した”と言え」
泊めてやるから!と言われて
酒宴にお付き合いしても、
終電がなくなれば平気で見捨てられる。
まさしく鬼の上司だった。
時には憎むことだってそりゃあった。
でも、パワハラで訴えようなんて
微塵も思わんかった。
愛があったし、感じていたから。
ある日、取材に出かける
電車の中で上司がワシに言った。
「車両に掲出されている中吊り広告なんか
全部ヘタだと思えるぐらいに
オマエを育ててやるからな」
と、ワシの肩にポンと手を乗せて
ちょっとキザに言った。
徹夜続きの超多忙な時には、
「今が勝負だ、頑張るんだぞ!」
と走り書きのメモが残っていた。
それだけで、
本当に十倍の努力をしようと思った。
だから、
パワハラ騒動に思うのは、
そこに愛があるかどうかだけだと思う。
ノスタルジー爺の懐古の戯言だと
Disってくださっておおよし結構。
愛だろ、愛っ。
…と、キザに言ってみる。
伊藤秀一『いい会社はどこにある? いい人材はどこにいる?』
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