大手の内定を受けときゃよかった…。
と何度ボヤいたことか。若手にどんどん任せる社風に惹かれて入社を決めたけど、正直ナメてました。
ジオコスに教育マニュアルなんてない。入社1日目から実践あるのみ。兎にも角にも取材撮影に同行(メモを取るだけで必死)。キャッチコピーは100本ノック(及第点がとれず延長線)。クライアントの社長に入社数ヶ月の小娘がいっちょ前な顔して取材(内心震えがとまらない)。原稿なんて何度書き直しても朱入れで真っ赤(もはや、自分の原稿の原型がない!)。新人だからとか関係なく、どんどん案件が舞い込んでくる。
え、、、ちょっと序盤から飛ばし過ぎじゃない??
センパイたちは「何事も経験だ」「お前はどうしたいんだ?」と言うけれど、ちょっと前までただの大学生だったんですよ!「寝坊したら1限はサボろ」なんて自由気ままに過ごしていた学生時代から一変。大手企業に入社した同級生が新人研修を受けているとき、私はすでに「ディレクターです」と名乗り、現場の最前線に立っていました。
ジオコスの案件に、同じ解決法はない。
毎回、クライントの業界も欲しいターゲットも課題も違うから、どう採用成功させようかイチから頭を悩ませる。このコンセプトワードで伝わる?デザイントーンはこれでいい?原稿も書かなきゃいけないし…。というか、そもそも鉄の商社ってナニシテルンデスカ?あぁぁぁー、脳みそパンクするーーーー!! 考えることが多すぎるのよ。ゲームのレベル上げみたいに簡単に強くなれればいいのに、悶々とすることが多くて自分の成長を実感できない。上手くいかないことがあるたびに、感情が溢れ出し、しゃっくりを上げながら泣いてたっけ。最初は心配して慰めてくれていたセンパイたちも、次第に「またか」と箱ティッシュを差し出してくれるだけに…。頑張りだけじゃ認められない。かといって、仕事に正解があるわけでもない。求められていることと、自分の知識・経験値が釣り合わず、未熟な自分に腹をたてる日々を送っていました。
「前はああだったから、こうすれば…」という経験値が活きてきたのが5年目すぎたくらいから。点と点が線でつながる感覚が増えて、「自分が案件を回してる」手応えを感じていった。クライアントにも成功事例や失敗事例を実体験を交えて話せるから、自分の言葉にも説得力が出てきた気がする。 とはいえ、まだまだひよっこ。しばらくは「悩んで、迷走して、悔しくて、泣く」が私のライフワークだったけど。
そんな私も今や中堅。最近感じるのは
この仕事は経験を積めば積むほど、面白いんじゃない?
ということ。企画で頭を悩ませるのも、締切間近のドキドキも、だんだん楽しめるようになってきた。それはきっと、若手時代の怒涛の実践教育があったから。マニュアルやセンパイのYES・NOで仕事をしていたら、きっと知恵を絞る面白さには気づけなかったと思う。未だに、スーパーマーケットの採用パンフレットをつくるために消費者として全店舗まわり独自調査をしたり、ある商社では働くイメージをリアルに描くために半日体験入社したり…相変わらず手間のかかることばっかりやってますけどね。
新卒で大手企業で働く同級生と比べても、そこそこいい感じのキャリアを積んでると思います。でも、もう若手時代のようなハードな実践教育の日々には戻りたくないなあ(笑)。
シャチョウ、もっと楽に成長できる方法ないっすかね?