2021.02.04
食品・スーパー|採用ターゲットを振り向かせる採用戦略まとめ(事例あり)
こんにちは。
今回は食品スーパーの採用課題に合わせたターゲットアプローチをまとめました。自社の採用課題を明確にし、採用計画をたてれば振り向いてほしい学生層にアプローチすることが可能です。
今回は「接客スタッフではなく、バイヤーや統括などを任せられる人材が欲しい」という採用課題に対するアプローチについてご紹介致します。
▼目次
2.振り向いて欲しい層(バイヤーの素質がある学生)へのアプローチ
1.ターゲットを振り向かせる「採用戦略の立て方」
「採用戦略」とは、ターゲット人材を確保するためにたてる戦略のことです。
人材は企業にとって重要な経営資源です。優秀な人材は、今後の企業成長に大きく関わります。しかし売り手市場が続く昨今では、ただ採用窓口を開けているだけで人は採れません。ターゲット人材を振り向かせるためには、戦略的な採用活動が求められるのです。
1-1.理想ターゲット設定を明確化
まずは採用の理想状態をイメージします。 今の会社にはどんな人が必要か? どんな人に仲間になってほしいか? その人はどんな志向・性格の持ち主だろうか? ありありと『出会いたい人』がイメージできるまで 具体化させます。そこで行うのがターゲット設定とペルソナ設定です。
よく聞く2つの言葉の違いは、設定方法と「人格」を持っているかです。ターゲット設定は、 性別や性格、専門性セグメントに分けて層を「絞り込む」ことです。一方、ペルソナは一人 の人物を想定して詳細な人物像を設定していく「人物設定」の作業をさします。ターゲット 設定→ペルソナ設定の順番で考えていくことで、自社で活躍する人材の特徴や採用基準が見えてくるハズです。
ターゲット設定
こちらは通若者研究部(通称:電通ワカモン)がリサーチしたイマドキの若者たちを10の特徴的なタイプに分類した一覧です。 自社で活躍しそうなキャラクターを選び、選んだ理由を採用チームで共有しながら絞り込んでいきましょう。
ペルソナ設定
物語の登場人物を想像するようなイメージで、架空の人物を作り上げていきましょう。 「どの部署でも活躍できる人」ではなく「●●部で活躍する人」と人物設定のスタートもしっかり決めるのがポイントです。
1-2.現状の把握
理想がイメージできたら、いまの現在地を正しく把握します。今出会えている人の数・質、彼らが会社のことをどう捉えているのか。 現在行っている採用活動から 何を変えなければならないかを明確にします。
例えば、「採用活動を振り返り、これまでの活動内容や量、歩留まりが適切だったのか、改善できることがないか」「内定者や辞退者が採用プロセスで感じたことを学生にヒアリングできないか」など、理想の実現のために障壁になっている箇所はどこなのかを明らかにし、次年度の採用活動のアップデートを考えます。
1-3.ゴールイメージの設定
理想の人材の興味を惹き、振り向かせるには 「どのような会社として認知されるか」のポイントを明確にします。採用ターゲット・ペルソナ設定と混同されがちですが、他社との差別化を行っていくために重要なプロセスです。
・自社の魅力はどこになるのか
・魅力を伝えるためにどんなネタやエピソードがあるか
・採用競合と比べたときにの自社の強みや違いはなにか
などターゲットに自社をどうみせたいかを考えていきます。
2.振り向いて欲しい層(バイヤーの素質がある学生)へのアプローチ
学生にとって目新しい職種ではないスーパーなどの小売・流通業。知名度はあるものの、なかなか“就職する先”として選ばれにくいうえに、企業の個性が伝わりづらく採用に苦戦しがちです。しかし、ターゲット像を明確にし、企業の魅力をあぶり出せば必ず訴求の仕方は違ってきます。
ここでは、知名度や企業イメージが原因でなかなか接触できない「振り向いてほしいゾーン」に属するターゲットに刺さる、採用PRをご紹介いたします。
2-1.バイヤー採用|理想のターゲット像の明確化
まずはターゲット設定、ペルソナ設定を行います。
バイヤーという仕事は、スーパーの戦略の要です。商品はただ並べても売れるものではありません。顧客に「欲しい」と思わせる商品セレクトや、ワクワク感のあるお店づくり、「また着たい」と思わせる満足感があるから毎日お客様にきてもらえるものです。そうした商品の買い付けから値付け、売り方から販売終了まで責任をもつバイヤーは、会社の頭脳ともいれる存在といえます。
いわゆる、スーパーにエントリーする「人と関わる仕事がしたい」「ありがとうといわれる仕事をしたい」とではキャラクターが異なるため、バイヤー素質を持った子たちに響くような採用広報をしていく必要があります。
2-2.バイヤー採用|採用課題に対するアプローチ
スーパーの説明や仕事の説明ではなく、バイヤーにフォーカスをあてます。
ペルソナ設定をみてもわかるよう、バイヤーの素質がある学生が「接客」に興味をもっているとは限りません。おそらく商品企画やマーケティングなど、ヒット商品を生み出す工程や知恵の絞りどころに興味がある学生が多いと想定されます。
そこでバイヤーの素質が持った子が興味を持ちそうな情報を全面にだしていきます。
スーパーに買い物に行っても、スーパー側の戦略を買い物中に感じる学生はいません。商品を手にとってもらえるための工夫が散りばめられているかをできるだけ具体的に伝えていきましょう。
架空スーパーAの戦略
・商圏は1~2キロ:戸建てが多い住宅街。若い世代の家族連れから高齢者まで幅広い
・スーパーの使命 :激安ではないがいいものを提供する。
→激安スーパーに比べると、価格での顧客獲得は難しい
→どう付加価値をつけて販売するかがポイントになる
・県境という立地 :帰省の際、地元の食材をスーパーで購入する顧客も多いため
お土産にもなる地元の名産を充実させている
バイヤーとしての知恵の使い所事例
・話題の商品を取り入れる
メディアで話題の商品いち早く仕入れ、店の入り口やメインストリートなどに目立つところに配置。ポップなどで更にアピールする。また関連商品を近くに置くことで、複数の商品が手にとってもらえるようにする。
・メニュー提案のポップで大ヒット
サバ缶を使ったレシピをポップで紹介。「サバ缶でみぞれ煮」「サバ缶でさば大根」「サバ缶とトマトのマヨチーズ焼き」など、商品をつかったメニューを提案することで手にとってもらえるようにする。
・激安商品を引きに売上げアップ
9円のもやしを目玉商品として販売。もやしだけでは赤字だが、もやしに関連した商品を手にとってもらうことでお店全体の売上を伸ばす。
・手間を掛けるという付加価値
果物や精肉の盛り付けには、美味しそうにみえるよう芸術的に仕上げ得る。お弁当コーナーには常に30種類以上の商品が並び、週1回新商品がでる。地元で有名なお菓子メーカーとオリジナル商品をつくる。お正月や節分、ひな祭りなど行事の際には、地元の名産を使った新商品を企画。
学生が知らないスーパーの裏側を伝えることで、接客から「商品企画」「マーケティング」に興味がある学生にも魅力的な仕事にみえてきます。
3.ターゲットを振り向かせる小売・スーパーの採用ツール事例
自分で商売できる仕事の面白さをアピール
アタマの使いどころを魅せて“商い”の最良を伝える
「もやしを1袋9円で売った場合、利益はいくらか?」こんなクイズから始まる誌面。答えはマイナス21000円の赤字。ここで伝えたいことは、もやしを販促の武器としてお客様を呼び寄せる商売の知恵です。レジ打ちや接客業というイメージが強い食品スーパーの仕事も、新人バイヤーの活躍ぶりや現場の裁量権を魅せることで、「面白そうな仕事」に変わり、同時に社風も見えてきます。
お客様の声|集まる学生の質の変化を感じます。
最初から「スーパーで働きたい」という学生は少数派です。それよりも「こんな社風の会社なら面白そう」と感じてもらえるほうがいいかもしれない、そう思い、メッセージの内容を変えることにしました。学生に本当に理解して欲しいのは、“ならではの社風”から生まれる、仕事の面白さや醍醐味です。結果、集まる学生の変化を感じています。「自分の志望とは違う業種だけど、この会社も面白そうだ」「ワクワクして来ました」という学生が見られるようになりました。
業界のイメージを崩す非効率主義な考え方を伝える
お客様の喜ぶ顔のために手間を惜しまない企業のスタンスを伝える
この企業の特徴は、小売業であるにも関わらず「非効率主義」であること。惣菜は常時150種類以上の品揃え。精肉コーナーでは、ミスジ、三角カルビ、ランプなど希少部位まで並べられている。本部一括運営はあえてせず、各店舗の担当者がお客様に喜んでもらえるような企画や仕入れ、値付けをする。「規模拡大・効率重視」というチェーンストア理論の常識を覆す、超地域密着且つ非効率主義な経営をいていました。
そこで「地域を盛り上げたい」「トライアンドエラーしながら実力をつけたい」「企画をしたい」というターゲットが振り向くような採用ツールを制作。合同企業説明会で配布するリーフレットではあえてスーパーであることを隠し、小売業界で不安視されていた安定性や将来性について語り、選考中に渡すパンフレットでは企業スタンスが伝わる社員の仕事ぶりをストーリー仕立てで紹介しました。
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