□「トイレはいつでもキレイ」
が当たり前な日本


□不十分なトイレ環境問題が
及ぼす影響とは

□生活の根本である「衛生」を守るため
活躍する日本の企業

□地域ごとの「持続可能な社会の作り方」
を考えよう
「トイレはいつでもキレイ」
が当たり前な日本

SDGsの目標6では、「2030年までに、すべての人が安全な水とトイレを利用できる状況を実現し、その持続可能な管理を確立する」ことを掲げています。

日本では基本的に一家に1台はトイレが設置されていますし、駅や公園、学校など公共の場でも、適切に管理されたトイレが利用できることが当たり前ですよね。では、世界のトイレ環境はどうでしょうか。

不十分なトイレ環境問題が
及ぼす影響とは

実は、世界人口の約1/4にあたる20億人の人が、安全で衛生的なトイレを利用できない環境にいます。そのうち屋外排泄している人は約6億7300万人、屋外排泄など不衛生な環境によって下痢性疾患を患い、1日に約800人の子ども(5歳未満)が命を落としていると言われています。

 

安全で衛生的なトイレとは、排泄物が他と接触しないように分けられている、あるいは、別の場所に運ばれて安全で衛生的に処理される設備を備えており、他の世帯と共有していない、改善された衛生施設のこと。アジアやアフリカなど開発途上地域のトイレ環境は「安全で衛生的」とは程遠いもの。複数世帯で一つのトイレを共用しているか、屋外ですませるかのどちらかです。共用トイレの機能性は低いため虫や臭いが発生しやすく、管理すること自体が敬遠され、悪循環を生んでいます。屋外排泄の場合は人目を避けるために早朝や深夜に遠くまで歩いて行かなければならず、特に小さな子どもや女性にとって、この状況は安全とは言えません。

 

また不十分なトイレ環境は、教育格差の要因の一つにもなっています。学校にトイレが無いためにやむを得ず欠席や退学する女子生徒が多く、教育の機会そのものが奪われてしまっているのです。働く場所としても敬遠されてしまい、慢性的な教師不足は大きな問題となっています。

生活の根本である「衛生」を守るため、活躍する日本の企業

こういった開発途上地域のトイレ問題を解決するために、ユニセフと株式会社LIXILがパートナーシップを組みました。双方が共同して取り組んでいる、開発途上地域の衛生問題を解決する「MAKE A SPLASH!」というプロジェクトについて紹介します。

 

■開発途上国向け簡易式トイレの設置

2017~19年にかけて、LIXILの一体型シャワートイレ1台購入につき、開発途上国向け簡易式トイレ「SATO」が寄付される『みんなにトイレをプロジェクト』を実施しました。最終的に約40万台のSATOが設置・200万人以上の衛生環境の改善を目標に、現在も現地での活動が継続されています。

「みんなにトイレをプロジェクト」詳細はこちら

 

■現地住民の衛生意識向上

屋外排泄が根付いている地域にその危険性を伝え、衛生意識の向上を図っています。またSATOを設置するだけではなく、清潔に管理する方法なども指導しています。

 

■手洗いの普及活動

新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、手洗い衛生の改善にも着手。LIXILがペットボトルをタンクとして利用できる手洗い装置「SATO Tap」を開発しました。

 

■新たな雇用創出

現地住民の経済的自立を促すため、「SATO」を設置する専門職や訪問販売員の育成にも力を入れています。

 

 

地域ごとの「持続可能な社会の作り方」を考えよう

開発途上地域の中でも、生活環境や衛生意識はエリアによって様々。それぞれの地域のニーズに合わせた指導によって、「すべての人が安全な水とトイレを利用できる状況を実現し、その持続可能な管理を確立する」という目標に一歩ずつ近づいているのです。

今回は世界のトイレ問題からSDGsを考えてみました。「MAKE A SPLASH!」のように、目下の衛生問題だけではなくその地域の将来を見据えた支援こそが、持続可能な社会の形成に繋がっていくのでしょう。

 

 

 

 

※2021年11月作成
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こちらの記事は 2021年11月26日に公開しており、
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