「し、志望動機は御社の理念にきょっ、共感したからです!」
こんなストレートで恥ずかしいことをよく真顔で言えたなと思う。でも、ジオコスに対してはタテマエでもなくそう思ってしまったんだからしょうがない。
自分は、長野県出身の30歳メガネ男(そろそろ結婚したい)。ジオコスは2回目の転職だ。専門学校を卒業し、都会の美容室に就職するも肌荒れでやむなく退職。心機一転、大学に通い直して業界新聞社に転職し、縁もゆかりもない名古屋に配属。そして転勤必須の仕事なのに、名古屋の女性に恋してしまって…。
そんな自分がジオコス入社を決意した経緯をありのままに伝えたいと思う。
これまでの就職・転職活動では、検討する企業の採用ページにある募集要項ばかり見ていた。
転勤はないよね? 給料はいくら? 朝は早くない?
なんてことをしっかり確認する。要項の構成はどこの会社も同じだから比較しやすい。仕事内容なんかを確認するのはその後だ。
ジオコスはと言うと…各項目に余計な説明が一言二言書かれていて読みにくい。給料の項目には(高給優遇できません)、勤務時間には(ときどき徹夜をする人もいますが、ライブやデートなどを理由に早退することもできます)なんて書いてある。(※ただし、時短ママ社員が増えた現在、徹夜をする社員はほぼ皆無です)
「そんなことまで書いて…。人を採用する気ないでしょ」と思わず笑った。同時に、この会社の採用ページは信用できると判断していたのだと思う。
次に読んだ経営理念に、ガシっと心をワシ掴みにされた。
『人の心を動かす。ひとりひとりが自らのシゴトに誇りを持てる組織づくりを。』
この理念を読んだとき、自分が仕事に求めることは“募集要項にはない”と初めて気づいた。経営理念とは、会社の軸。その軸に自分が共感できなければ、それはストレスとして蓄積される。前職では、募集要項に納得して働いていたはずだった。だけど、いくら給料が良くたって、そのストレスは解消されていなかった。
社長のシュウさんには、彼女にフラれちゃたら転職した意味なくなるよ?なんてありがたい指摘をいただいたけれど、実は、転勤なんて関係なくジオコスで働きたくなってた。今のとこ、なんとかフラれずに済んでいます。ただ、彼女に「本当に高給優遇じゃないんだね」って笑われちゃったんです(笑)なんとかしてよシャチョ~~~!
ところで、ジオコスは朝の風景もなんかフツーじゃない。
就業時間15分前の9:15。事務所に入ると先輩がひとりふたりパソコンに向かっている。あいさつはすれど目を合わせない。先輩はパソコンに向かったままだ。自分も黙ってパソコンを立ち上げる。30分後に振り返っても出社している社員はまばら。裁量労働制だからか、10:00までに出社すれば大丈夫らしい。
普通の会社ならば、就業時間10分前には社員全員がそろっていて、みんなでラジオ体操なんかして一体感を持たせる。朝礼で偉い人がありがたい言葉を言う。でもそんな習慣、ジオコスにはない。隣の席のもーすけさん聞くと、「みんな自分の案件に必死だから、余計な情報をシャットアウトしているんだよ」と、どうなんだかわからないフォローをする。
自分もそんな気持ちを理解できる日が来るのだろうか…。
とにかく今は、「人の心を動かす」ために、いろいろな企業に取材へ行きたくて震える盛川でした。