経験はヒトの価値観を変える。
‥‥と実感するできごとが今週あった。
スケジュールの都合で１日に岐阜まで２往復するという
なかなか非効率な行動した木曜日。
岐阜の中心部で昼メシを食うことになった。

最初に向かったのはマダムたちの集うカフェ風な店。
待っているのは２組だけど、
サラリーマンたちのランチタイムと違い、
岐阜のマダムたちが井戸端会議に花を咲かせ、
一向に客が回転する気配がない。

いつまで待つのか見当もつかない様子だったので、
別の店を探すことになった。
その時、地元で生まれ育った花子が言った。

「岐阜のソウルフード、冷やしたぬきはどうですか？」

「サラリーマンもいっぱいいるし、
さっき待たされたカフェよりも、
オッサンがそこにいても場違い感はない」
とも付け加えたけれど、冷やしたぬき？

ワシはこれまでの人生の中で
冷やしたぬきを食ったことはないし、
食いたいと思ったこともない。
店にそのメニューがあってもたぶん選ばない。

まあでも、ものは経験。
岐阜のソウルフードの更科にでかけた。

13時が近いというのに店はほぼ満席状態。
たしかにオッサンが多いけれど、
老若男女問わず、大勢で賑わっている。

メニューには丼ものなんかもあるんだけれど、
九分九厘の客が冷やしたぬきそばを食っている。
ここはルールに従うべきだ。
間違ってもカツ丼なんかを注文したらダメだ。

大盛りの冷やしたぬきそばが来た。
でかい。
そしてそれを食ったら‥‥。
うまい！
油揚げに染みた濃い味がたまらん。

今までなんで食ったことがなかったんだ！
と後悔するぐらいうまい。

なんでも経験したことがないのに
先入観でモノを見たらアカンな。

世の中にはワシの知らない素晴らしいものが
まだまだ身近にいっぱいある。

他人の価値観を信じてみよう。
食わず嫌いになるのはやめよう。
チャレンジしてみよう。
と、冷やしたぬきに学んだのでありましたとさ。