中学生の頃だった。
家電量販店まで自転車を漕いだ。
お小遣いでポケットラジオを買った。
あの時のコーフンを今もまだ覚えている。
今どきで言えばきっとそれは
初めてスマホを持つような気分のときめきか。
ラジカセのように大きくないし、
電源がない場所にも気軽に持ち運べる。
大人と同じ情報がいつも入手できる。
　
夕方のFMでロックを聴き、
深夜のCBCで今夜もシャララを聴き、
オールナイトニッポンで眠る。
小さなハードウエアから流れてくる世界は、
ラジオから流れる最新のロック、
有名人の喋るおもしろトーク、
深夜放送で投稿されているエピソード、
当時自分の暮らしていた
田舎の豊田市とはかけ離れた
別世界の憧れだった。
　
やがてワシはサラリーマンになり、
求人広告を手がけるシゴトを生業として、
クリエイティブな世界にも興味を持ち、
先輩たちは有名なTVコマーシャルも手がけ、
自分もそこに憧れつつ、
ずっと地道な採用広報物を制作し、
PHPで書籍を出し、
コミュニティ局で番組を持ち、
似たような世界にはいたけれど、
メジャー放送局の現場には
ずっとご縁がなかった。
　
ところが突然、
テレビ番組制作…のような話が巡ってきた。
かつて経験してきたことが
活かせそうな内容で
ジジイが年甲斐もなくワクワクした。
こりゃもう前のめりにならないわけがない。
　
俺は田舎の山猿で、
もうすでにロートルジジイだけど、
いやいやまだまだ小僧のような
バイタリティで行くよ。
若いヤツに負けとらんよ。
いやーオジサン、なんか楽しいぞ！！！！